2017年1月27日金曜日

路上生活者の人たちのお話・1

多くの人にはあまり関係ないかと思いますが、病院では区役所の生活保護の担当者から依頼があって路上生活者の緊急収容をすることがよくあります。

屋根のある暮らしをして、三度の食事を作り、家族兄弟と連絡を取り合っている人達には全く想像もつかないような暮らしをしている多くの人がこの日本の空の下にも沢山居るということは忘れがちです。私達が考えている”普通”の暮らしぶりからは隔絶されているその人達の中には福祉行政の保護の網の中に助けられることもなく、逆に出ていこうとしている人達も意外なほどたくさん居るということを臨床の医師としてこの世界に戻ってきて以来、当たり前の事実として知ることになりました。

いわゆる”やらかしてしまって”保護課の人間の援助の手を逃れている人のなかには、何度も徹底的に偽名を使って最後まで逃げている人間、警察から居所を掴まれたくなくて名前を変え続けている人、実際は警察からはXXの病院に居るということを知られていても”病気治療中の間”は目をつぶっていもらえているような感じのレベルで保護されているのか?と思える人などがおり、、これらの人々の多くは本当に様々に理由で保護される事自体を全くありがたがっていない人達が多いのです。

長い間に懇意になってくると、ホントウデスカ!?というような驚きに満ちた過去の話をし始める人もいれば、話を盛りに盛って明らかに嘘だと分かる話を滔々と語る人、また、路上生活をする上でのコツやどの地区ではどんなふうに過ごすのかというようなことを事細かに教えてくれる人も居ます。

私自身も、それほど忙しくない日は可能な限りそういった話に耳を傾けるようにしております。半分は患者さんとのコミュニケーションを円滑にして看護師さんにも話さない社会課担当の人にも話さないような話を医師である私にはしてもらえるように信頼関係を醸成するという目的。後の半分は単なる興味津々でのもの好きとしての側面です。

最近面白かったのは空き缶集めの人の話でしたね。本当に景気に左右されるのがよく分かる話満載でしたが、昨今はアルミ缶も中国の買取価格に影響されているようで、名古屋周辺で以前は帰路120円位だった空き缶が最近は帰路90円まで下落しているというようなこともその話の一環として出てきました。

とりあえずは今日の文はこのあたりでおわり。眠いです。w

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