2016年10月7日金曜日

人はやがて子供に戻る

両親が家にやってきて二日目。

やはり母親の記憶力というのは相当アレなようで、内心「はー」ということばかりです。兎に角、言ったことを平気で忘れる。それを指摘してもやはりキョトンとしている。おまけに「歳をとったんだから忘れるのは当たり前」と言うようなことまで言って開き直るので救いようがありません。w

まあ、以前だったら私も怒っていたんでしょうが、人間”諦め”があると、その対象に対してはもう怒る気力は失せるのだということを再度確かめる事になった今回の母親の来名となりました。まあ、老化と認知機能障害の判別式に当たるのが”忘れたこと自体を忘れてしまっている”というのが既に母親には出てきている感じですので、これから数年内に症状は進行するのかもしれません。

歳をとっても「アレなんだっけ、あの人の名前」とか「あそこの場所のあの部分の名前忘れちゃった」等というのは未だ普通なのですが、例えば今回は昨日自ら手にとって私に説明を求めた”アメリカにいる娘の絵”を翌日になって再び「あら〜、これXXがこんなに凄い上手い絵を描くの?」とか言ってきた時にはちょっと脱力してしまいました。昨日の手短に行った説明を覚えていなかったのです。

そのことを指摘すると「簡単な説明だったから覚えていない〜!」と開き直りました。w
本人はわかっていないのですが、実は認知症のテストを行うと記憶の欠落の部分を”言い訳”すること自体も”認知症の重要な判断基準の一つ”なのです。このことは母親には言いませんでしたが、私的には「嗚呼・・・」と言う感じ。

HDS-Rなどで臨床心理士がテストしているのを横で見ていると、認知症の患者さんは本当によく言い訳をしたり、怒り出したりして”取り繕い”を見せるのです。中にはテスト自体の出来の悪さに、怒り出して途中から拒否する人まで出るのですからいろいろと大変です。

それを横で支える父親も大変かなとは思うのですが、横で見ているとなんとも仲が良い感じで、これぞ世にいう”老々介護”と言うやつなんだなって改めて身内の実例で見せつけられた感じでした。70代前半の頃と、70代後半の今とでは両親ともやはり大きく違ってきていますね。心身ともに良い感じで健康に老いてポクっと行くのは、人にとってなかなか難しい大事業だよなと改めて思う次第でした。

人は両親の愛を受けて一人前になり、独り立ちして結婚し、家族を養い子供を育てたのちに次第に老い、機能を一つ一つ失ってやがては介護を受けて赤ん坊のようになりまた土へ還っていく

母親はいま”子供”に戻っている途中なのかもしれません。

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