2015年11月5日木曜日

人生への最後のお別れと家族・続き

さて、前回からの続きですが、、、今度はその患者の方ご自身の最後と、その周りを取り巻く人達について一言。

実際に死期が近づくにつれ、患者さん達は私に様々な質問を投げかけたり、感謝の言葉をかけて来たり、逆にだんまりになってしまったりほんとうにその最後の瞬間への近づき方は様々です。

ところが、この最後の瞬間というのは結構な割り合いで外部要因によって掻き乱されるのです。

外部要因というのは多くの場合、外から突然「落下傘」のようにやってきた「家族」「親戚」のことで、これらの人達が患者さんをなかなかスンナリとは死なせてくれないのでした。

この人達「先生にお任せします」と言いながらも、もう病院には送ってくれるな、検査はできるだけやらないでくれ〜!と心の底から懇願している患者さんを眼の前にして「なんとかしてください!」といって静かに旅立ちたいと願う末期の癌の患者さんの心と体をかき乱すのです。

私としては未だ思考がきちんと機能していたころに私と患者さんの間で話し合った「最後の過ごし方」に関する暗黙の合意を完全に無視してくるこの人達の「押しの強さ」にタジタジとしてしまうこともしばしば。

実はこういった延命を求めてくる人達っていうのは結構な割合でお見舞い等はしてこなかった人達、つまりもともと患者さんとはほんとうの意味での心の距離が遠く離れていた人達が多い感じが強いですね。

本当に親しく日頃から接していた人達は最後のほうではかなりの頻度で「もう充分頑張りました。有難うございました。」と言う感じのことを、暗にお別れの受け容れ準備が整ったことをこちら側に告げてくるのです。

この差ってなんなんでしょうね。
今まで優しく接してあげることが出来なかった「後ろめたさ」の裏返しなのでしょうか。
いろいろあるとは思いますが・・・。

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