2015年9月8日火曜日

シングルマザーの苦しさ

病院には沢山居るシングルマザー。

当直などの夜間の業務の際にいろいろと空き時間に自然に話が広がる中で片親で仕事をしながら、問わず語りでいろいろと自分の話をしてくれる看護師さんやヘルパーさん達が居ます。

そう言った人達の中で、仕事をしながら片親として様々な年齢の子供達を育てている話を聞いていると、「マジですか?」と、本当に聞き返してしまうような話が次から次へと出てきます。そういった話を聞いていると、この国では子供を育てるのが本当に難しいんだなと強く強く感じます。

女性が結婚し子供を作って、その後に夫と別れるというのが当たり前になっている中で「経済的に」女性を支えてあげられるシステムの詳細を聞いていると、その中身のスカスカぶりには驚きでもなく、あきれるわけでもなく、ただ絶望的なものを感じるのです。

確かに三十年前よりかははるかに充実したものではあるのでしょうが、とても先進国の、そして子育て支援を標榜している国家とは思えませんわ・・・。
やっぱり、母子家庭支援の要諦は住環境のセットアップと子供達の学校教育へのアシストがまず第一で、その中には保育の問題が大きく入ってきています。いくら必死で働いても保育のシステムが保証されていなければそもそも働きにさえでられないわけで、(実家のジジババに見てもらえとか、保育費を払ってでも仕事をしろというのは、それでもやりくりさえすれば生活していける収入があるは程度ある人達に許された台詞です。w)生活保護に頼れと言っているようなものです。

あんたがそういう状態になったのは大体がそんな男を選んだのが問題で、とか言われても本人には問題がないことも多々あるわけで、行政というのは人が(たとえ余裕はなくても)一生懸命頑張りさえすれば報われるような環境を「可能な限り」セットアップしてあげることが行政における「サービス」と呼べるものではないかとお思います。

例えばヘルパーさんなどで経験年数の浅い人達の中にはびっくりするような薄給しかもらえない人達も居るのが厳然たる事実で、その給与額を聞いて私自身も「それ生活自体が無理ですから」と即座に断言してしまうような手取り額の人も居ます。

若いころ頑張らなかったから資格も何も無いそんな身分なんだなどというのは、個人個人のそれぞれの人生の裏で起きてきた種々の複雑な事情を慮ることの出来ない人生経験浅き高校生までなら許されるものの、大人が言葉にするべき発言じゃないですわな。

例えそうだとしても、三十前後で再び子持ちの状態で踏ん張り、再起しようとしてもそこにチャレンジを支援するような誰でも直ぐに気軽に使えるような簡便で有効な救済システムも存在しない、というような国はやはり子供の出生率なんて上がる訳ありませんよ。実際、子供が熱出しただけで数日休むだけで針の筵に座らされた様な気持ちで心苦しいと感じるとコッソリ話してくれるお母さん達の多いこと・・・。
これが先進国の子育て事情の現実だなんて、とてもとても海外に向けて誇れるような事情ではないでしょう。

極端な話をすれば、後先考えずにオヤジの違う子供をボンボン産むいわゆるヤンキーが母親であっても、その母親がきちんと働く意思があるのであれば、せめて18歳までは国家の総力を使ってその子供達を国家が人材育成のシステムに乗せてあげ、有為の人材をつくる挑戦をするのは必須ではないんでしょうか?

身近な話から始まった、今日のブログでしたが、病院で働く人達、本当にシングルマザーの多くは心も体も疲れてる人多いって感じる帰国後一年九ヶ月のダメ医者でした。

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